漂泊する支離滅裂

私見を発信して頭の整理をしつつ自己顕示欲を発散するのが目的のブログです。嘘しか書いていないです。

目的

学問知のエンタテインメント化をWebメディア開設という手段によって実行することの必要性を説く

問題提起

 大学における学問の成果はもっと世に対して解放されるべきだと思う。就職活動しててすごい疑問なんだが、大学生活の4年間は学問に充てる時間として存在しているはずなのに、研究職やらを除けば、就職活動で聞かれることはビジネスの場面での再現性を期待できるような取り組みをいかにしてきたか、の一点のみだ。学問の成果は無視される。それよりも、その過程でどう頑張ったかが大切なのだという。それはまぁ、ビジネスマンを募集している採用側の論理からしたら当然で、採用者の論理に被採用者が迎合するのも当然だから、就職活動で学問が重視されないことは仕方のないことだ。そして、その後の人生で大学で学んだことは何一つ活用されず、学んだ本人も何を勉強したかきれいさっぱり忘れることも仕方のないことだ。

 だが、例えば中高生の頃に古典和歌に魅了されて大学に進んで、万葉集の研究なんかに学生時代の大半を費やした学生がいるとして、彼は大学から出た後はそのままその情熱をすっかり忘れて、残りの人生を企業マンとして過ごす。生きるためには働かねばならない。大学院に行っても普通は職も無いのだから。趣味としての読書は継続するかもしれないが、彼がかつてなしえた学問上の情熱の成果は、せいぜい研究室かデバイス上に保管される文書としてしか価値を発揮せず、彼と彼の残した研究成果は大抵はそのまま死んでいく。研究者にならなかった者の残した成果は、ただ存在するだけで何も残さない。これは、悲しいことではないのか?

 卒論だけではない。数多の学生が書き残したレポート課題も、学期が終わればその価値は失われ、しまいには散逸する。どれほどの割合の学生が課題の類に真摯に向き合っているのか私は知らないが、いずれにしても確かなことは、半期15回の講義を踏まえた集大成のはずのレポートは成績評価に活用される以外の使われ方をほとんどしていないし、長期的な目線で見れば後続に何の影響も残さず、書いた本人が忘れた時点で無かったことになる。無論、優れた論考は時折学術の表層にあたる部分(雑誌など)に掲出される事例もあるだろうが、一般的なものではない。そのお陰で、例えば経済学部の学生は文学部の学生が何をやっているのか皆目見当もつかないという事態に陥るわけである。だって成果物が公表されていないのだから。こうした目線は4年制大学の文系学部なら「遊べる」という曖昧な偏見の生育を助長し、結果として遊びたいので大学の講義についていけないという摩訶不思議な学生らを量産することにつながる。

私は次の三点を問題として定義し、その是正の必要性を唱える。

  • 現状、学生の学問上の成果は成績評価以外でほとんど活用されていない点
  • 学生の残した成果は社会や文化に対して何ら影響力を持たず、学問の発展並びに知的好奇心の充足等に寄与しない点
  • 学生の成果物が公表されないため、自分以外の学生や他学部の学生が何を考えているのか知る機会が失われている点

 

解決案

 私は異常の問題の解決案として、次の提言をする。すなわち、アマチュアレポート・論文投稿サイト(仮称:ミテミテ)の設立である。知のyoutubeをつくろう。誰でも匿名あるいは実名で、レポート・論文を投稿できるサイトを作る

 このサイトでは、投稿者と閲覧者の、相互にメリットがあるようにする。

  投稿者:自身の著作の閲覧数に応じてインセンティブを受け取る

  閲覧者:知的好奇心の充足につながる

  管理者:広告収入により運営費を得る

 

 また、社会的に次のようなメリットをもたらす。

  ・学外の人間が大学構内に閉じ込められていた知識にアクセスできる

  ・受験生や進路指導の立場にある者などが、大学でどのような学びがなされているか確認できる。

  ・衆目に晒されることにより、学生全般のレポートの質の向上が見込める

  ・学生以外の在野の研究活動の報告の場を設けることが出来る

 

懸念点としては以下の通り

  ・著作権の問題

  ・収益の確保の困難

  ・個人情報保護の困難

  ・査読不可による困難